今週のごあいさつ

大丈夫であるように

 今年ほど「あけましておめでとうございます」と心から言えない年もないのではないかと思いますが、元日の能登半島地震、2日の飛行機事故と大きな災難が続き、大きな衝撃を受けました。

 

 久しぶりの帰省でゆっくりしていた人、新しい1年に希望を抱いていた人。そういった平穏なお正月を迎えていた多くの人たちが、家を失い、あるいは命を失うという惨事にあい、それを目の当たりにしている私たちも胸を痛め、普段通りのお正月を過ごすことに後ろめたさを感じてしまう。そんな年の始まりになりました。

 頭の中では色々な考えがぐるぐると巡り、個人的に何か支援したほうがいいんじゃないか思ってみたり、早まらず邪魔にならないようにして、出来ることがある時に何かお手伝いをしようとか、組織的に支援に向かう人たちを応援しつつも、それに関われないことに後ろめたさを感じたり。

 大きな災害が起こるたびに同じような思いを抱えますが、今回はお正月にそれが起きたことで、よりそのような思いが大きくなっているような気がします。

 何かをやろうとしても、何かを言おうとしても、それが思いとは結び付かない。多くの人がそのような状況にいるのではないでしょうか。

 年頭の法要でいつも法話をするのですが、今年は地震のことに触れつつも、こんな話をしました。

 歌手のCOCCOさんのドキュメンタリー映画で言っていた言葉ですが、「生きていれば大丈夫なことも大丈夫じゃないこともあって、自分は大丈夫でも誰かが大丈夫じゃない時もある。そんなときは、大丈夫じゃない人たちのことを大丈夫であるように祈っていたい。」

 映画の中でそんな話をしていました。

 私たちも、自分が大丈夫な状況にあるなら、まずは被災された方たちが大丈夫であるように祈って、そこから自分の出来ることがあるのならお手伝いをしていけばいいのかなと思います。

 本当にうまく何も言えないときですが、まずは自分が地に足をつけて日々を生きていくことが大事だと思います。

 今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。       合掌