今週のごあいさつ

悪いのは誰だ?

小さな子どもと一緒に生活をしていて、親として「こういうのはよくないな」と思うことがあります。

 どういうことかというと、例えば子どもが、ご飯をちゃんと食べないとか、不注意で飲み物をこぼすとか、言ったことをすぐに聞かないとか、ずっと引っ付いてまわるとか、なんでもいいのですが、そういったことをした時に、親である自分の状態によって、怒ったり怒らなかったり、あるいは怒り方の強さが違ったりすることがあります。

 こちらの疲れがたまっていたり、寝不足だったり、仕事で嫌なことがあったり、そういうコンディションが不調のときは特にきつく怒ってしまう傾向があります。

 子どもからしたら、同じことをしているのに、怒られることもあれば、怒られずにすむこともある。ちゃんと口に出して言われることはありませんが、子どもながらに納得がいかないというか、不思議に思うこともあるんじゃないかと思うのです。だから、こういうのはよくないなと思っています。

 じゃあ日ごろからコンディションを整えて、常にニュートラルな状態でいればいいかというと、それが出来れば理想的ですが、ちょっと無理があると思います。

 仕事の忙しさにも波があるし、体調だって今みたいな季節の変わり目なんかは特に崩しやすいです。常に同じ状態でいるというのは出来るものではない。

 そういうことではなく、ここで言いたいのは、子どもは別に悪くないんじゃないかということです。

 同じことをしても怒る時と怒らない時がある。私たちが怒る時というのは、大抵「怒らせた相手が悪い」と思って怒るわけです。

 だけど、今言っているように同じことが起こっても、こちらの状態でとる態度が違うのであるなら、悪いのは、というか問題があるのは怒っているこっちの方なんじゃないか。と考えることも出来るのです。

 怒らない時というのは気持ちに余裕がある時です。体調がよかったり、嬉しいことがあったりすると、多少のことがあっても「まぁいいか。」で済ませることが出来ます。

 反対に怒るときは気持ちに余裕がない時で、神経が過敏になっている。イライラしている時はカッとなりやすいです。

 それで、こういうのはやっぱり波があるんです。余裕がある時もあればない時もある。だから余裕がないのがダメで、常に余裕を持てるようにしようというのではないのですが、ただ、余裕がなくてイライラしている時に、ちょっとだけでも余裕のある時の「まぁいいか。」を思い出せたらいいな、と思っています。

 それが出来れば、心がイライラでガチガチの時に、「あぁそうか、別にこんなムキになることもないのか。」と少し冷静になることが出来る。

 もちろん、本当にしかったり注意をしたりしなければいけないこともありますが、「怒っている時は、実はこっちにも問題がある」という考え方は、子どもと関わっているとけっこう大事だな、と最近思っています。

 良かったら皆さんも使ってみてください。

 今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 合掌