今週のごあいさつ

痛いところを突かれるのは痛い

人には得手不得手というものがありまして、私自身も苦手なものがたくさんあります。その中の一つに「組み立て」がうまくできない、ということがあります。

これは比喩でも何でもなく、物理的に物の組み立てをするのが苦手だということです。最近は家具を買うとだいたい自分で組み立てるものが多いです。テーブル、ハンガーラック、棚などなど。ああいうものの組み立てが上手に出来ないんですね。

なによりまず説明書が読めない。「部品Aにボルト(小)を差し込んで部品Bにつなぐ」みたいなことが読んでいてわからない。図で見てわかるような説明書でもうまく理解できない。それで自分なりに「これはここにつなぐのか」とやるわけですが、傍から見ているとトロくさいんでしょうね。「ここはもっとこうした方がいいよ」とか横から口を出されることが度々あります。

そこで問題なのは、そのようにこっちが苦戦しながらやっていることに横から口を出されると、ものすごい腹が立つんですね。

「わかっているからちょっと黙っていてくれ!」と声を荒げることもしばしばで、後から反省することもあります。

それと似たような経験で、まだ子供の時分、やらなければいけない宿題があるのにテレビを見たりゲームをしたりしてなかなか宿題に手を付けない時、親から「早く宿題をしなさい!」と言われて「もうすぐやろうとしてたんだ!」と理不尽に怒ったりしていましたが、それも気持ちとしては同じような感じだったと思います。

何が同じだったかというと「痛いところを突かれた」というところです。

最初の話でいうと「上手じゃないことをわかっていながらやっている」というところ。次の話は「やらなきゃいけないことはわかっていながらやっていない」ということ。

どちらも指摘されたくないところ。要は「突かれると痛いところ」なんですね。

だからこの話からわかるように、人は痛いところを突かれるのは嫌で、そういう場合しばしば怒ったりする。というわけです。当然と言えば当然の話なのですが。

しかし、なぜそういう場合に人は怒るのかというと、多くの場合、人は痛いところ、自分の弱点を、隠そう隠そうとしています。そこを指摘、暴かれたと言ってもいいかもしれませんが、そうなった場合、辱められた。とか、人格を否定された。と思ってしまうからなんじゃないかなと思います。

自分が窮地に立たされると人は怒るもの。だから痛いところを突かれると怒りがわくんでしょうね。

それで、そういう時の対処法はないのだろうかと考えてみましたが、まずはやはり自分が苦手なところ、できていないところを自覚するということが大切なのではないでしょうか。隠そうとしているところを暴かれると怒るわけなので、最初から隠さない。弱点は弱点として自覚しつつ、なおかつそれを変に卑下しない。そういうことが肝要なのだと思います。

それから、我がこととして考えた時、隠そうとしている弱点を指摘されて怒る。というのは非常にかっこ悪いことではありませんか?器が小さいというか人間が出来ていないというか。そういう人間でありたくないなと思うのであれば、誰かに弱点を指摘されても瞬間的に怒るようなことはしないような心を作っていく。そういうことが大切になってくるのではないでしょうか。

指摘をした人が悪い。ではなく、出来ていない自分がまだ足りていない。そう思うくらいがちょうどいいんでしょうね。

今回は自分に言い聞かせるようにして書いてみました。組み立てが本当に苦手なんです。家具はできれば出来上がったものをいただきたいものです。

今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。

合掌