今週のごあいさつ
読み方に正解はないけれど
6月になりました。今年は梅雨入りが早かったですね。台風もこちらの方はあまり影響なく通り過ぎてくれました。
これからどんどんムシムシした季節になりますが、お寺も建物を建て替えたり、本堂の畳替えをしたりしました。新しい畳はカビがきやすいのでお寺の至る所に除湿機を置いています。これがこの時期は朝夕と水が溜まるので、その手間だけでも一苦労です。
ただ畳にカビが出てしまうと、何度もふき取りをしないといけないので、その苦労に比べれば水を捨てるくらいで不平をたれてはいけないなと思っています。
どちらにしろ、これから夏にかけて過ごしにくい季節になります。こまめに水分を摂ったり、室温を涼しく保ったりして過ごしましょう。
この前『ぐりとぐら』という絵本について文章を書きましたが、家に小さな子どもがいると、頻繁に読み聞かせをする機会があります。
うちは一番下の子が3歳なのですが、この子もよく本を読んでとせがんできます。
それで、これはたぶんうちだけではないと思うのですが、小さい子どもに絵本を読んでいると、なかなか先に進むことが出来ません。
絵本を読んでいると、途中で「最初に戻れ」とか、「気に入った場所を何度も読んで」というふうに言われて、物語が全く進まなかったりします。
うちの子は下の子だけじゃなく、みんなそんな感じだったので、小さいお子さんのいる家庭は同じようなことがあるんじゃないのかなと思っていますが、どうでしょうか?
それで、そんな風に本が先に進まないのって、大人はちょっと嫌なんですよね。
話の途中で戻ったり、何度も同じ場所を読むのではなく、できれば一つの物語を一貫した形で読んでいきたい。
なので、「ここ読んで、もう一回読んで」とか言われると「え~~、先に進もうよ」なんて言ってしまう。
だけどこういうことも考えてみると、大人の本の読み方と、小さい子の本の読み方は違っていて当然なんですよね。
むしろ大人の読み方の方が、一貫して読みたいとか、後戻りはしたくない、といった「本とはこう読むべきもの」みたいなルールとか決めつけに縛られているような気がします。
比べて子どもの読み方は、楽しく読む。好きに読む。といったように自由にその本を楽しんでいるのだと思います。
2つの読み方を比べてみて、どっちがいいだろうと考えてみると、個人的には自由に楽しんだ方がいいな、というか、そういう読み方が出来るのはうらやましいなと思います。
「かくあるべき」とルールを固めてしまって、そこから外れることを嫌うというのは、いかにも仕事的というか大人的というのか、心の柔軟性を欠いていますよね。
子どもと接する中で、子どもの自由な視点をちょっと拝借してみることで、絵本を読むときばかりでなく、普段の社会の中での生活にも「きめつけなさ」を応用できるんじゃないかなと思っています。
まぁ、さっさと絵本読み終えて自分のことをしたい時には、「もう一回読んで」と言われると、「早く終わろうぜ」って思っちゃうんですけどね。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。 合掌