今週のごあいさつ
水道管を破った業者さんの叫び声を、去年はほんとによく聞いた
金毘羅院では現在大規模な境内改修工事をしております。工事は年内が大詰めといった感じで、この5月には新しい会館も完成予定です。すべての工事が完成するまでに、皆様には何かとご不便をおかけしますが、もうしばらくお待ちください。
さて、この度の工事は境内全体の工事になるので目に見える部分はもちろんのこと、目に見えない場所、基礎や配管等も整えております。
そこで困ったのが、それまでの電気の配線や水路、建物の基礎などがどうなっているのかがわかる図面がない場合がけっこうあり、この度新しくやり替えるためには、まず現状がどのようになっているのかを手探りで見つけていかなければいけないことが多々あったということです。
これに関しては工事の業者さんがずいぶんと大変だったようです。何度も水道管を誤って傷つけ、水があふれたりしていました。
金毘羅院も、創建からの歴史は浅いとはいえ、最初から今の境内ではなく、徐々に境内地を増やしていったという経緯もあり、その時の施工の仕方によっては今から考えたら随分と突貫工事でやったものも多かったようです。
、この度このように境内全体の改修を行うことで、目に見えない部分もちゃんと把握できるようになったことは後々のことを考えても随分よかったと思っています。
それで先日、遠くにいるお坊さんの仲間たちとオンラインで色んなことをおしゃべりする場を設けた時に、上に書いたようなことを話したら、「うちも、うちも!」という声がたくさんありました。実はお寺あるあるだったんですね。
考えてみたらお寺なんてすごく昔からその土地にある場合がほとんどで、古い建物に電気の配線を通したり、水の配管を取り付けた入りということをその都度、その時代でやっていたのでしょうから、何がどうなっているか不明瞭な場合が多いのは当然なような気がします。
その時聞いた話だと、ちゃんとした業者さんが施工したのではなく、檀家さんや信徒さんで、そういう仕事ができる人が善意でやってくれたケースもあるようで、それはその時は助かったのでしょうが、やり方はけっこうめちゃくちゃで、いざ修繕が必要になると迷路みたいに入り組んだ配管・配線に頭を悩ませることになるようです。
そんなことを聞くと、今回の工事で目に見えない部分が整って本当に良かったなと思います。
お坊さん仲間とはこの話以外にもたくさんの話をして盛り上がりました。みんなたくさん勉強して、たくさん実践していました。お坊さんのイメージを、人によっては「坊主丸儲け」だとか、あまり良くないイメージを持っている人もいるかもしれませんが、少なくとも私のお坊さん仲間は、みんな自分を高めることを真剣にやっていて、その中で培った徳をもとに、人の役に立てるよう努力をしています。若いお坊さん、捨てたもんじゃないですよ。
コロナ以降、余計に先の見えなくなったこの時代に、お坊さんが、お寺が、たくさんの人の心に豊かさを提供できる場であれるよう、今後もお互い切磋琢磨しながらやっていければと思っています。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。
合掌