今週のごあいさつ
不本意ながら雪に学ぶ年
もう今年はいいだろうよ、と思っていたところにまた雪が降りまして、「まだ降るの?!頑張るね!」と誰にともなく皮肉を言ってみたりしています。
まぁ降るたびに心を痛めていても苦しいだけなので、降ってしまったものは仕方がない!とその都度雪かきに精を出しています。
それでも何年か前までは、雪が積もるたびに、いちいち心を痛め、「なんでこんなに降るんだ!なんで何度も寒波が来るんだ!どこから来るんだ、呼んでもないのに!」と詮索しても意味のない原因を探したりしていました。
今ならそんなことを考えてもあまり意味がないと思いますが、その頃は何かに原因を押し付けておかないと気持ちのやり場がなかったのだと思います。
そんな風に雪が降るたびにイライラしていたころ、たくさん積もった雪をかいていた時に、パァっと空が晴れ渡ったことがありました。
見たことがある方はわかるとおもうのですが、雪が積もって地面が真っ白な時の青空というのはすごいキレイなんですね。
それを見てハッと思ったのが、「雪が積もるのは嫌だけど、この景色は好きだ。」ということです。雪かきは大変だけど、この景色を見れたことはすごくラッキーなんじゃないかと思いました。
そういう経験があってからは雪が積もっても、まあ仕方ないか、くらいに思えるようになりました。
ただ話はここで終わりません。
それ以降も、雪と青空を見る機会は度々あり、その都度、やっぱりきれいだなと思っているのですが、心からそうは思えない時というのもあるものです。今年のお正月も年末から雪が積もって、とても景色を楽しもうという気持ちにはなりませんでした。
だけど心というのは厄介なもので、そんな時でも無理に「この景色はきれいだ」と思おうとしてしまうのです。
なんというのか、もったいないからという理由で満腹なのにちょっと残っているご飯を食べる、みたいなことと似てるのかな。「せっかくいい景色なんだから、嫌な気持ちにならずに感動しておこう」みたいな気持ちが生まれるのです。ウソではないんだけど、本気ではないというか。
嫌な気持ちをそのままにし続けるということは避けたいのだけれども、かといって本気でもない「良い心」みたいなものでごまかすというのも、あんまり気持ちのいいものではない。
きれいな景色は素直に感動したいし、嫌な気持ちになったのなら、それを引きずらずに上手に気持ちを切り替えていきたい。そのためには自分の心の機微を見逃さないようにしなければならないと思っています。
なんだか今年は雪に学ぶことが多い年です。不本意ですが。
ちなみに今回の雪は、積もった次の日の夜明け前にきれいな満月が見れました。これも見ることが出来て良かったです。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。
合掌