今週のごあいさつ

ボデーソープを笑わないで

 ・12月も半ばを過ぎまして、お寺では年明けのための準備が活発となってきました。

 お札、お守りの用意。お堂の掃除に仏器磨き。お供え物の買出しや年頭の発送物の準備など、巣ごもりの準備をする動物のように、毎日コツコツと色んな準備をやっております。

 今日から気温もグッと下がるようなので、ここへきて一気に年末感がしてきました。しっかり準備をして、体調を整えて、よい年を迎えましょう。

 ・私は今年本厄の年にあたりまして、ようやくその年も終わるなぁと少しホッとしているのですが、40を過ぎて、少しずつ体調や感覚の変化を感じてきています。

 一つには、先日健康診断を受けまして、その時に採血をしたのですが、前はそんなこと感じたことがなかったのに、今回は針を腕にさされて血を抜かれることに若干の気持ち悪さを覚えました。

 採血前に、「気分が悪くなったら言ってください。」と言われるのですが、今までは気にも留めなかったことが、今年は「もしかしたら気分悪くなるかも」とちょっと身構えました。

 昔平気だったからといって、ずっとそうだというわけではないのですね。

 ・もう一点は、最近ちょっとカタカナの読み書きが怪しくなってきて…

 さすがにこれは自分でもちょっとうろたえるというか、まだそんな年じゃないんじゃないかと思うのですが、初めて目にするカタカナ言葉を読むのに、昔よりちょっと間をおかないと読めなかったり、難しいカタカナ言葉を書こうとすると、「ッ」とか「―」の記号的なところに戸惑ったりといったことが起こるようになりました。

 まぁ昔に比べて実際に書くことが少なくなっているので、ここは訓練次第でどうにかなるかとは思っているのですが、それでも自分にもこういうことが起こりうるのだと実感したことに少なからず驚いています。小さい頃からカタカナ言葉が周りにあふれていたのに、こういうことが起こるのですね。

 ・若い時にお手伝いしていたお寺には宿坊があって、そこを管理していたおばちゃんもやっぱり少しカタカナが苦手で、宿坊のお風呂に置いてあったボディーソープの入れ物には、おばちゃんの手書きで「ボデーソープ」と書いてありました。

 それを見て若かった私はケラケラ笑いながら、「やっぱり年を取るとキャンデー・パーテー・ボデーソープになっちゃうよね!」なんて小ばかにしていましたが、実際に自分にもそういう傾向があらわれるようになってくると、あの頃の態度をちょっと申し訳なく思います。

 わざわざ携帯電話のカメラで「ボデーソープ」の写真をとって、色んな人に見せて笑いをとっていたりしたので、タチが悪かったなぁと反省しています。

 何かのCMで「子ども叱るな来た道だ。年寄笑うな行く道だ。」と言っていました。

 ほんとにそうですね。何事も出来て当たり前だと思っていると、子どもやお年寄りの出来なさに腹をたてたり馬鹿にしたりしてしまいますが、それはかつての自分もそうだったし、いずれ自分もそうなる姿なのでしょう。

 今の自分の状態によってできないことがあるのは当たり前のことで、それは間違っていたり劣っている事ではありません。

 むしろ、出来る自分が当たり前だと思って、その状態がいつまでも続くと錯覚することの方が愚かなことなのでしょう。

 

 何事にも叱らず、笑わず、おおらかに、寛容に接していける。そういう人がいいですよね。

 さて、ちょっとカタカナ練習してきます。

 今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。        合掌