今週のごあいさつ

この場を借りてお詫びします

金毘羅院の境内には不動明王がお祀りされていて、横に山からの湧水が出ており、そのお水をお不動様にかける「水かけ不動」として昔から親しまれております。

特にお子さんがお参りすると楽しんでいるようです。水遊びしているような感覚なのでしょうね。お子さんが楽しそうにお参りしている姿はこちらも癒されるのでどんどん来てほしいなと思っています。

ただ子どもだけではお不動様に上手にお水をかけることが出来ないので大人に補助をしてもらえればと思っています。でないと私のようにやらかしてしまう恐れがあります。

今日はそんなお話をします。

私の母は和歌山の高野山出身で、毎年夏になると高野山に子どもたちをつれて帰省していました。高野山に上がるとお大師様がいらっしゃる奥の院にも必ずお参りします。奥の院の途中には金毘羅院の水かけ不動と同様に、仏様のお像にお水をかける場所があります。そこで幼かった私は勢いよく仏さまに向かって水をかけました。しかしコントロールがうまく出来ず、杓一杯に入った水は仏さまにかからずに、隣にいた参拝客のおじさんにおもいっきりかかりました。

今でもあの時の情景を思い出すとちょっと笑っちゃうのですが、しかし見ず知らずの子供に水をひっかけられたおじさんは、きっとあの後しばらく冷たい思いをしたのだろうなと思います。特に怒られもしなかったので優しい人だったのでしょう。本当に申し訳なく思います。

話のついでにもう一つ幼い頃のやらかしエピソードを書くのですが、4歳か5歳頃、甲子園にプロ野球の試合を観に行きました。すごくにぎやかで楽しかった思い出があるのですが、その時に野球を見ながらさくらんぼを食べていました。

そのさくらんぼの種を、今考えてもなぜあんなことをしたのかわからないのですが、自分のそばにあるごみ入れにいれずに、前に向かって思いっきり「プッ!」と飛ばしました。

ご存知の通り野球場の椅子というのは階段状に作られています。なので私の飛ばしたさくらんぼの種は綺麗な放物線を描いて落下していき、何列か前に座っていたおじさんの持っていたビールの中に落ちました。

おじさん、ビックリしたでしょうね。なんせいきなり飲んでいたビールに誰が食べたか分からないさくらんぼの種が入ったのですから。

この時の情景は何度思い出しても笑ってしまいます。特に勤行中、お経を読んでいる時、不意打ちのように思い出したときなど、こみ上げてくる笑いにしばしばお経が中断されてしまいます。

ただ、あのおじさんのことを考えると、あの後、その種入りビールは飲めなかっただろうなと思います。申し訳ないことをしたと反省しています。

お水をひっかけたおじさんも、ビールにさくらんぼの種を入れたおじさんも、この場を借りてお詫び申し上げます。大変ご迷惑をおかけしました。

今後は我が子にも、「水は前に飛ばせ、さくらんぼの種は前に飛ばすな。」という教訓を伝えていこうと思います。

しかし、どちらもそのあとトラブルになった覚えがないので許してもらったんでしょうね。自分もちょっとしたトラブルがあってもすぐにカッとならないよう心穏やかに保っていきたいものです。

今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。

合掌