今週のごあいさつ
機嫌よくやりなさいよ
お盆の期間に入りました。今年は上手にお盆の3日間が休みに挟まれる形になっているので、昨日の土曜日から次の日曜日までお休みだという人も多いようです。
今日はお寺でもお盆の合同供養法要が営まれ、金毘羅院で永代供養をされている方が多くお参りに来られます。昨年までは1回のみのおつとめだったのですが、だんだんお参りの方が増えてきているので、今年から午前午後の2回に分けて法要を行うことにしました。
日本人の供養をする習慣がだんだん薄れているといったことを聞くこともありますが、こうしてお盆に合わせてたくさんの方がお参りされるのを見ると、そんな簡単になくなるものではないぞ、という思いと、お寺がお参りしやすい環境を整えて、供養できる機会を提供することが大切なのだと感じます。
お寺によってはこの時期に夏祭りを開催して、多くの方にお参りいただいているようですね。金毘羅院もいつかそういったお楽しみ行事もやってみたいです。
また昔行っていた、子供たちの修行体験「修養会」。年々参加する子供たちが減っていったのと、参加者の低年齢化でやめてしまってから久しいのですが、こういった行事も近年需要が高まっているみたいで、復活してみるのもいいかな、とちょっと考えたりしています。
なんにせよ、いろんな形で「祈りの場の提供」を心がけていくことが大切なのだろうと思います。
さて、お盆にはご先祖様があちらの世界からこちらの世界に帰ってきてくれる期間だといわれています。そのために迎え火を焚いたり、盆提灯を出したり、お供えをしたりといったお盆の風習があるわけです。
でも、本当に帰ってきてくれるんだったら、それってけっこう嬉しいですよね。
年齢を重ねていくほど、大切な人との別れが多くなって、その人たちがいなくても、毎日何とかやってはいけます。だけど、やっぱりちょっと会いたいな、とか、いてくれたらいいのにな、と思ったりもするわけです。
だからこのお盆の間に、こちらの世界に帰ってきてくれるのであれば、やっぱりそれはいいなと思うのです。
もちろん、目に見えるわけでもないし、話が出来るわけでもない。だけど今その人が近くにいると思って過ごすだけで、いつもとあり方が少し変わってくるのではないかと思います。
そして、せっかくこっちに帰ってきてくれているのだから、迎える自分たちは、せめて機嫌よく過ごしていないとなって思います。
久しぶりにこちらの世界に来たのに、生きている人たちが機嫌悪かったり、不幸せな顔をしていたのでは、帰ってきた人もあんまりいい気持にはならないでしょう。
「お、機嫌よくやってるな。」「楽しそうにしているな。」と思ってもらえるような姿でいることで、安心してまた向こうの世界に帰っていけるのではないかと思うのです。
機嫌よくしているかどうかは、結局自分の心持次第です。嫌なこともあるだろうし、うまくいかないことの方が多いかもしれません。だけど、そこでいちいち不機嫌になっていたのでは、いろんなことがつまらない。
何か嫌なことがあっても、亡くなった大切な人が「機嫌よくやりなさいよ」と言ってくれていると思って、日々過ごしていければなと思います。
お盆の期間、どうぞ機嫌よく、にこやかに。あと暑いですけどお墓参りも、行ける方はぜひ。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。 合掌