今週のごあいさつ
理想的な仲間の形
毎週日曜日に更新をしているこのあいさつ文ですが、少し体調を崩してしまい、2週間ほどお休みをしていました。なるべく休まず続けていきたかったので、寝込んでいても文章くらいは書こうと思っていたのですが、体調を崩すと言葉をまとめることもうまく出来ず、お休みしてしまいました。
やっぱり肉体の健康があってこそ、頭もまともに働くのだなと実感しました。
まだ病み上がりなのでまとまりのない文章になるかもしれませんが、ぼちぼち書いてみようと思います。
前回、仲間を持つことって大事なことで、いい仲間を作ることが人生にとっても重要な事項だと思う、といったことを書いたのですが、仏教でも仲間を持つことがとても大切だと説かれています。
歴史の授業で聖徳太子が十七条憲法を作ったと習ったことがあると思います。
「和を以て貴しとなし~」という1条目が有名ですが、第2条に「篤く三宝を敬え~」とあります。三宝とは仏教の言葉です。「仏・法・僧」の三つが仏教にとってとても大切なものであるという教えで、聖徳太子は日本に仏教を根付かせるために、「三宝を敬いなさい」ということを憲法にいれました。
仏法僧の仏とは仏陀のことです。仏陀とはお釈迦様をはじめとする悟りを開いた仏さまのことです。
次に法とは仏さまが説かれた教えのことです。
そして僧とは、日本で僧といえばお坊さんのことを意味しますが、インド語で僧を「サンガ」と言い、これは仏の教えを実践し、悟りを得ようとする修行者の集団のことを言います。
なので、単体のお坊さんではなく、同じ志を持った修行者集団が「僧」なのです。
この「僧」=「サンガ」には「律(りつ)」という集団内の決まりごとがしっかりとあり、修行をする上で集団が機能するように細かな規律が設けてあります。
修行というと、一人黙々とするようなイメージがありますが、集団でいた方が雑事が減り、より修行に打ち込みやすいというメリットがあります。
そして、このサンガには序列がありません。初めにサンガを作ったのはお釈迦様ですが、自分を慕って集まった弟子たちにお釈迦様は、「自分が修行をして得た法を私は説くが、私がサンガの中で一番偉いわけではない。わたしはみんなと同じ仲間なんだ。同じ仲間としてともに修行をしよう」と言われたそうです。
一般的に、宗教の教祖というと、自分を組織のトップとして、自分の教えが一番なのだという姿勢を取りそうなものですが、仏教はそうではないということが、このことからもわかります。ここに仏教の持つ平等性と仲間を持つことの大切さがあらわれているように思います。
人は群れで行動する動物ですが、その群れの理想的な形がこのサンガじゃないかと思っています。自分も仏教に携わるものとして、お寺がお参りされる方たちにとって親密な場所とならなければいけないなと思っています。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。
合掌