今週のごあいさつ

腹が減っては

先日妻がインスタグラムに載っていた「ダンナのトリセツ」という興味深いものを見せてくれました。「夫」という生き物の性質を非常に鋭く観察してあって、「わかるわぁ」と思うものから、身につまされるものまで、色々書いてあって面白かったです。

 その中で、非常にシンプルなのですが身に覚えのあることに、「お腹が減っているとイライラする」と書いてありました。

 「確かにそうだ!」とそれを読んで思いました。うちには小さい子どもが3人いるのですが、晩御飯を食べるときなど、自分が食べることは後回しにして、子どもに食べさせることを優先させたりします。その時に子どもが言うことを聞かず、すぐにご飯を食べない時、妙に腹が立ってついつい怒りすぎてしまうことがあります。そうなると後で「あんなに怒る必要はなかったのにな」と反省するのですが、この「ダンナのトリセツ」を呼んで「そうか、あれはおなかが減っていたから余計に腹が立ったのか!」と納得しました。

 イライラしたり悲しんだり悩んだり、こういう心の動きがあったときに、どうしても私たちは心のことばかりに目を向けてしまいますが、この「お腹が減ったらイライラする」ということと同様に、「先に体の反応があって、それが心に影響する」ということは、実はいっぱいあるんだと思います。

 他にも寝不足だったり、体がガチガチに凝っていたりしても、それが気持ちに影響することは多々あるでしょう。だけどそういう体のサインには気がつかず、「イライラするのはアイツが悪いからだ」とか「不安が消えないのは自分の心が弱いからだ」と原因を別に考えて、心のことばかりに注目をしてしまう。

 そうなると、体にも心にもいいことはありませんよね。だから体のサインには十分気を付けないとな、と「ダンナのトリセツ」を読んで思いました。心をどうこう言う前に、お腹を満たして(出来れば美味しいもので)しっかり睡眠をとって(お昼寝するのもいいですよね)、適度な運動で体をほぐしてあげれば、案外体だけじゃなく、心も健康になるのだと思います。

 まじめな人ほど、美味しいものを食べたり、仮眠を取ったり、運動する時間を作ったりすることを「余分なこと」と考えてしまうこともあるかもしれません。それをする暇があれば、仕事や生活に向かった方がいいと。だけど、そういう余分なことをちゃんとしてあげることで、よりしっかりと物事に向き合える体と心を作れるのだと思います。

 お釈迦様が悟りを開いたとき、それまでは断食や不眠不休で自分の肉体を苦しめる苦行を何年も続けました。しかし、これを続けても悟りは開けないと感じたお釈迦様は、食事を摂り、体を休めて心身を整えて、そして静かに瞑想に入って、ついには悟りに到達した、と言われています。

 この逸話もまずは体を整えることの大切さを説いているのではないか、と今回思い至りました。

 

生きていれば悩むし怒るし、うまくいかないこともいっぱいありますけど、そんな時には心のことばかり気にする前に、まずは「よく食べよく寝てよく動く」から始めてみるのもいいと思います。

「ダンナのトリセツ」、他にも面白いことが書いてあったので、また紹介します。

今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。

合掌