今週のごあいさつ

季節の変わり目を感じながら

 落ち葉が盛りの季節、この前までは桜の木が葉を落として、ようやくそれが落ち切ったと思ったら次は別の木が。と、この時期は際限なく落ち葉掃きをしている気がいます。

 道路の街路樹なんかもすごいですよね。路肩にびっしり落ち葉がたまっています。職業柄(?)あれだけの落ち葉を見ると掃き集めたい衝動がわいてきます。

 朝晩の冷え込みも厳しくなってきました。まだ11月なので日中は暖かい日も多いですが、早朝、おつとめをする時間などは5度、6度という日も多いです。10度を下回るとさすがに寒いですね。

 ただ、これからは最高気温が5度、6度の日がざらになってくると思うと、「この朝の気温がまだあたたかかったなと思うようになるんだよな。」と先を想って憂鬱になります。

 段々と年末を実感することが増えてきました。いつもお世話になっている出雲のお坊さんたちとの忘年会をセッティングしたり、12月7日に行うお寺の大掃除の呼びかけをしたり。(ありがたいことにたくさんの方がご参加くださるようです)、年始の初祈祷に向けてお札を準備したり。その他様々。

 そういえば、お寺の前の県道も雪の日に備えて融雪装置の試運転をやっていました。晴れているのに雨が降っているのかなと思ったら、融雪装置から水がばしゃばしゃ出ていました。

 いろんなところで季節の変わり目や年の変わり目を感じます。10月の前半頃まで暑い暑いと言っていたのも、なんだかずいぶん前のことのようで。

 今年の夏も確かに暑くて、記憶としてはそういうことも覚えているのだけれど、じりじりとして、べっとりと張り付くような暑さの感覚はあんまり思い出せない。

 真夏の時期にこの文章で、暑い時には寒い時のことを、寒い時には暑い時のことを覚えていないものだということを書きましたが、もうすでに真夏の暑さを肌感覚で忘れてしまっている。

 

 そういうことからも、人は今を生きているんだなと思います。過去を振り返るし、未来を想像するけれど、目の前にあるのは今しかなくて。

 過去を想ってくよくよしたり、未来を想って希望を抱いたりするけれど、それらは全部頭の中にしかなくて、手に取って感じることが出来るのは、いつも今この瞬間しかないのです。

 だから過ぎた夏の暑さより、今朝の朝の冷えの方が重要になってくる。それでいいんだろうなと思います。

 過去の過ちは反省するし、未来に向けて今できることをしないといけないけれど、大事にするべきはいつも今、この時。過去と未来にばかり目を向けて、今がないがしろになってしまうと本末転倒になってしまいます。

 年末が近づき、誰もが慌ただしくなってきていますが、そういう時こそ今を大事にしていきたいですね。

 ということで、とりあえず落ち葉を掃いてきます。

 今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。        合掌