今週のごあいさつ

安心したい

 ようやく暖かくなったと思ったら、冷たい雨の降る寒い日が続きます。

来週は春のお彼岸になります。金毘羅院でもお彼岸の合同供養法要を行ったり、いくつか法事が入っていたりと、供養事の多い週となりそうです。春分の日あたりから天気も回復し、気温も上がっていくようです。どうぞ穏やかな気候の中、先祖を敬う時間をおつくりください。

さて先日、はたから見たら手広く事業展開をしていて、大きな資本を動かしているような方とお話をしました。今後の展望や現時点での反省点など語る姿から、大きな自信を感じました。

話の後半で、「うちは順風満帆に見えるかもしれないけど、実際はそうじゃないから。もっと収益をあげないといけない。」と言っていました。現状に満足をせず、しっかりと先を見据えてすごいなと思いましたが、たとえどれだけ収入があっても、不安な気持ちというのはなくならないのかもな、とも思いました。

何かで読んだことがあるのですが、人の脳は不安を抱えるようにできているのだそうです。なぜかというと、狩猟時代、いっときだけ食料を得られたとしても、そこで簡単に満足してしまっては、その食料がなくなったときに対処ができなくなるので、何かを得ても不安になるよう脳がはたらきかけ、常に次に目が向くようになっているのだと。

そのおかげで今の人類はここまで生き延びているのだということです。

なるほど道理は通っていると思いますが、満足できずに不安を持ちやすいというのは、なかなか厄介な性質ですよね。

「ここまでいけば満足できるかも、もっと得ることが出来れば満足できるかも」そう思いながらどこまで行っても不安が付きまとう。

高い収入とか、安定した職。理想とされるものはたくさんありますが、突き詰めてみると「安心したい」というのが人間の根底にあるのだろうなと思います。

安心したいけれど簡単に安心が出来ない。人間というのもなかなか不便にできています。

ここ最近、投資の詐欺がすごく増えているとか、政治とカネの問題がかなり過敏になっているよう感じますが、こういうのも日本という国全体で安心感が足りていないのが原因なのかなと思っています。

世界情勢とか少子高齢化とか先行きの見えないことが多いですもんね。

仏教で「小欲知足」という教えがあります。欲を小さくして、今足りていることを知ろう。という意味ですが、放っておくと不安になって、もっともっとと欲が膨らむ人間をいさめる、よくできた言葉だなと思います。

「本当に今足りていないの?どこまで行けば足りたことになるの?」そういったことを改めて考えさせられる言葉ですよね。

現状に満足せず、向上心をもって物事に臨むことは大切です。そのおかげで人類の今の発展があるのですから。ただ、なんだかよくわからないけど不安な気持ちがあって、「足らない足らない」と思い込みすぎるのには注意しないといけませんね。

あと、「今で足りているから、まあいいか。」とサボる口実に小欲知足を使って、歩みを止めるのもどうかと思います。

何事もバランスが大切ですね。

春のお彼岸、どうぞ穏やかにお過ごしください。

今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。           合掌