今週のごあいさつ
今じゃない自分に期待しすぎない
早いもので1月も半分が過ぎました。ありがたいことに、お寺も年始からご祈願のお参りが多く、あっという間に半月過ぎたような気がしています。
とんど祭りも終わり、正月飾りも下げて、お正月気分も薄れてきた頃かと思いますが、皆さんは今年の目標などはたてられましたか?
私の目標は先週もちょっと書きましたが、素直に人に頼ることと、以前から先の予定を立てることが苦手だったので、今年はしっかりスケジュールをたてることを目標にしたいと思っています。
今のところ意識してやっているので、それなりにうまくできている気がしますが、今年しっかりと取り組んでみて、来年以降は意識しなくてもできているようになりたいものです。
何年か前の手帳に、「今年やりたい10の目標」というのが書いてあって、読み返してみると、「そんなの今でも達成できてないよ…」という目標がたくさん書いてありました。何というか、「あぁ、昔の自分はこんなに未来の自分に期待していたんだなぁ。」と苦笑いを禁じえませんでした。
似たような経験として、昔は図書館に行くたびに、期限内にはとても読み切れないほどたくさん本を借りてしまっていました。当然全部読み切れるはずもなく、なんとなく後ろめたい思いをしながら返却をして、その足でまた懲りずにたくさんの本を借りる、ということを繰り返していました。
どれもこれも自分の身の丈にあわないことなのに、先の自分に過剰に期待をした結果、尻すぼみに終わることばかりで、そういうことを何度も経験してようやく、出来る範囲の目標や、読める範囲の本を選べるようになりました。
なんにもしていないうちは、なんでもできそうな気がしちゃうんですよね。それはそれでわくわくしたり、ヤル気も出たりするのですが、どうやってその目標を達成するのか、考えなしで希望だけ増やしても、それは達成できないものです。そしてやり通すためにちゃんと動くこと。これが出来ないとダメなんだと、最近になって気が付きました。
それとは正反対のことのように聞こえるかもしれませんが、「後悔するとき」も案外似たような心の成り立ちなんじゃないかと、最近考えています。
「あの時もっとこうすればよかった」とか「あの人にこう言っておけばよかった」と、しばしば後悔します。
事が済んで振り返れば、なんでこの選択をしなかったのだろうと思うことは多々あります。
でもこういったことも、よくよく考えれば、過去のその状況の時に、「本当にそんなこと出来たの?」と思うことがたくさんあります。
「ああすればよかった」と思っても、本当にその時に自分はそんな行動が出来たのか。あとから考えればいくらでも出来そうな気がしてしまいますが、自分という人間が、あの時の状況で出来ることだったのかと改めて考えると、やっぱり同じことを選ぶんじゃないかと思ってしまいます。
あるいは、「ああ言えばよかった」も同じです。「もっと鋭く切り返せばよかった」とか「もっと優しい言葉を使えばよかった」も、あとから考えればいくらでも選択肢は出てきますが、はたしてその状況にいる自分が、本当にその言葉を言えたのかというと、怪しいものがあります。
目標にしろ、後悔にしろ、どちらも今じゃない自分にちょっと期待しすぎている。最近よくそういうことを考えます。
大事なのは、今じゃない自分への期待ではなく、今自分が、期待している自分としての行動が出来るかどうか、なのかなと思っています。
そのためには今出来ることをしっかり積み上げていくこと、なのでしょう。自分で言っていて耳が痛いですが、今年はそういうことから逃げずに過ごしていければなと思っています。
年が明けて半月経ちますが、本当に、お互い良い年にしましょうね。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。 合掌