今週のごあいさつ
養分をお供えする
毎日暑いですね。
今年もお盆が近くなってきました。お寺でもお盆のお参りが始まりました。
一年の中でも「供養をする」ということを特に意識する時期ではないかと思います。
先日、お坊さんの先輩から、供養についてのこんな話を聞きました。
私たちが普段、「ご先祖様」を想像するとき、「私」の上に「父母」がいて、その父母の上に「祖父母」がいて…と家系図のように上に伸びて広がっていくイメージになると思います。
でも、その先輩が言うには、それを逆に考えた方がいいのだそうです。
どういうことかというと、「私」の下に「父母」がいて、そのさらに下にそれぞれ「祖父母」がいて、またその下に…という風に、下に伸びて広がっていくのだと。
これって何かに似ていると思いませんか?
そう、「根っこ」です。
先輩が言うには、「私」が地面の上に立っていて、親・祖父母・先祖というのは「私」にとっての「根っこ」なんだそうです。(ちなみに親・祖父母がまだ存命の方も多いと思いますが、その場合は、私が親や祖父母にとって「枝葉」や「花」になるのだそうです)
「私」はこの親や先祖という根っこから力をもらって生きているのだということでした。
そこで大切になるのが「供養する」ことになります。
「私」がこの根から力をもらっていることを意識せず、供養をしないまま生きていると、だんだんと根が枯れていってしまう。
根が枯れてしまうと、「私」に栄養が来なくなり、弱くなってしまう、ということです。
ちょうど「供養」という字は「供える・養う」と書きますが、「養分をお供えする」ことが供養だと考えるとわかりやすいかもしれません。
供養することで私の根っこに養分がいきわたり、その結果、私の活性化にもつながる。
お寺では供養のことを「廻向(えこう)」とも言いますが、廻向の意味は「私の功徳がだれかの助けになり、それが巡り巡ってまた自分のためになる」という「良い功徳の循環」のことを廻向と言います。
まさに供養することによる「先祖と私」の関係のことですよね。
供養というと難しいお経を唱えないといけないような気がしますが、そうではなく、先祖に感謝をするとか、大切に想うとか、自分が良い生き方をする。ということが供養になります。
今年のお盆、よければ「根っこ」を意識してご供養してみてください。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。
合掌