今週のごあいさつ

親しみと丁寧さ

 近年梅雨入りしても雨の降らない年が多かったように思いますが、今年はわりと梅雨らしい梅雨ですね。それなりに雨も降るし、あとジメジメと蒸す。暑い日も多いので過ごしにくいなと感じる日も多いですが、境内に植え替えをした植栽は雨が多い方がありがたそうな顔をしています。

 先週、人に対する敬意を持つことおt、他者に対する寛容性について書きましたが、敬意ってどんな感情かというと、言葉で説明するのは難しいですよね。

 この場でもたびたび敬意については書いていますが、「敬意」とか「敬い」と書いてしまうと少し固くなるというか、「祈り」や「感謝」なんかもそうなのですが、ちょっと崇高になってしまう、日常的な感情と思いにくくなってしまう気がします。

 それで、自分なりに敬意って何だろうと考えてみて、これが一番近いかなと思ったのが、敬意というのは「親しみと丁寧さ」のことなんじゃないかなと思いました。

 「尊敬」となると自分とは少し離れた相手に対し、頭を下げないといけないような感じですが、敬いはもう少し距離が近い、親しみのある距離感なのかなと思います。

 

そして「丁寧さ」。よく「親しき中にも礼儀あり」と言いますが、「礼儀」にしちゃうとやっぱりちょっと襟元を正しすぎるというか、正座してお話を聞くような感じになるので、「親しき中にも丁寧さあり」の方が親しみをもてたままの関係が保てるような気がします。

 

あと親しみはあるけど丁寧さが欠けていると、ただ馴れ馴れしいだけになってしまうし、なにより人は雑に扱われることが嫌いです。お店なんかでも店員さんが横柄な態度だと次行くのはやめようかなと思ってしまいますよね。丁寧さがあることが、その人やその場所の信頼につながるのだと思います。

また丁寧さはあるけれど親しみがないというのも嫌ですよね。マニュアル通りの丁寧さみたいなのは確かに丁寧ではあるけれど壁があるように感じてしまう。また度を越した丁寧さというのは、かえって失礼に感じることもある。

だから親しみをもって丁寧に接することが大切で、自分もそういう接し方をしてくれる人には、また会いたいなと思うように思います。

敬意と書くと難しそうに見えても、親しみと丁寧さ、あと相手を認める気持ちを合わせたものが敬意なのだと思えば、自分にも持てる思いですし、自分の身近な人で、このような接し方をしてくれる人を思い浮かべることもできる。

人の中には確かに敬意があって、それをもって人と対する方が、無駄に競争したり、変に人と比べることも少なくなるように思います。

自分としては、お寺にお参りされる皆様に、このような思いをもって接しているつもりではありますが、もしそれが伝わっているようであればとても幸いです。

親しみと丁寧さ。よかったら意識してみてください。

今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。        合掌