今週のごあいさつ

素直に頼る

 年が明けて、そろそろ半月が過ぎようとしています。

 お正月は穏やかなお天気で、金毘羅院にも大勢の初詣と初祈祷のお参りがありました。打って変わってこの週末には今季一番の寒波が来て雪の積もるお天気となりました。幸い交通や日常生活に支障の出るほどの積雪ではなかったので、この3連休も多くのお参りをいただいております。

 世間的には年々お正月に対する特別感が薄くなっているように感じますが、それでも三が日のお参り、それに続く節分までの厄除け祈願を受けていると、「ああ、また今年もこの時期になったなぁ。」と感じております。

 金毘羅院の一年氏子と家族会員になっておられる方には、そろそろ年頭のお札が届いている頃かと思います。その中に同封している金毘羅院の寺報「照光」の中に、金毘羅院住職の次男、昌筧の退山あいさつが載っております。普段からよくお参りされる方々には直接ご挨拶しておりましたが、今年よりご縁のある熊本のお寺に入山し、自分の力を試してみたいとのことで、長く務めた金毘羅院を離れることとなりました。親しくしていた方も多いと思います。どうぞあたたかく見守ってあげてください。

 さて、そんなことで、弟が退山したことで何人かから「寂しくなったでしょう」と声をかけていただいたのですが、年末年始のちょうどお寺が忙しくなる時期での退山だったので、寂しさを感じる前に、とにかくこの慌ただしい時期を乗り切らなければとあくせくしていて、まだあまり実感がないというのが正直なところです。

 それよりもこの忙しい時期に一人減った穴をどう埋めるかというのが大きな課題でした。

 これまでは何かあってもなるべく内々で回そうという意識が強かったのですが、このような状況になるとそうも言っておられず、また昨年末の大掃除でいつも以上の人にお手伝いいただいたことに勇気をもらって、この年末年始には色々な方に声をかけてお手伝いしてもらいました。

 大掃除の時に来てもらった人たちに声をかけたり、地元の同級生に力仕事を頼んだり、修行していた京都のお寺で一緒につとめていた後輩に手伝いに来てもらったりと、今までこのような形で声をかけていない人たちに、積極的に連絡をとるようにしました。

 そうしたところ、みなさん快く駆けつけてくれて、おかげでこのお正月を乗り切ることができました。

 人手が足らないというのもさることながら、一人いないという気持ち的な不安があったところ、昔から付き合いのある同級生や、同じ釜の飯を食った仲間が来てくれたことで、精神的にずいぶんと助けられました。

 これまでは、遠慮があったり、もし断られたらどうしようと思ってなかなかお手伝いの依頼が出来なかったのですが、結果として、声をかけてよかったなぁと、今しみじみ思っています。

 人に助けを求めたり、弱音を吐いたりすることが昔からあまり得意ではなくて、それは遠慮があったり、照れがあったり、見栄があったりしたからなのですが、こうした経験を経てこれからはもっと素直に人に頼ろうという気持ちになりました。

 何かあった時に「一人でやらなければ」と、これまでは思いすぎていたのかもしれません。

 「困ったときほど一人で抱え込みすぎない」と「素直に人に頼ること」。自分の中ではこれが今年のテーマになるかもしれないな、と予感めいたものを感じています。

 みなさんにも、何かの形で声をかけるかもしれませんが、そのときはどうぞよろしくお願いいたします。

 改めまして、今年もよろしくお願いいたします。            合掌