今週のごあいさつ

知らない間に額がゾリゾリ

先週もお伝えしましたが、2月6日に行う予定の節分祭ですが、オミクロン株の感染拡大により一般の参拝を中止といたしました。豆まきは行わずに法要は僧侶のみで行います。詳しくはホームページのお知らせにてご確認ください。

 一日も早くこの状況が収まることをお祈りしております。

さて、こんな状況の中、重たい話を書くのもあれなので、他愛もないことを書いてみようと思います。

例えば、車を使わずに生活できる人が、新しく発売された車に興味を抱かないように。あるいは音楽を聴く習慣がない人が、現代の様々な音楽配信サービスを気に留めないように、誰かにとってはとても重要なことでも、自分にとっては関係のない、「人生の勘定に入っていない」ものがあります。

私にとってのそれは、「髪型を気にすること」です。お坊さんになってからずっと、散髪は自分でバリカンを使って刈っています。なので、どんな髪型が今の主流なのか、とか、今度こんな色に染めてみよう、といったことは全く考えずに過ごしています。

ただ、この冬の時期は、寒い洗面所で半裸になって散髪するのがわりとつらいので、ちょっと散髪屋さんに行って、頭を刈ってもらうのもいいなぁ、と考えることもあります。お坊さんの中には毎回ちゃんと散髪屋さんに行く人もいて、その人が言うには、顔剃りや眉毛を整えてもらったりできるから、そっちの方がいい。と言っています。

そういえばちゃんと散髪屋さんに行ったのはいつ以来だろう。たぶん中学生のころが最後だったと思います。散髪屋さんに行くことが私の人生の勘定に入っていないのですね。

そんなことを考えていて思い出したのが、小学5年生の時の恥ずかしい思い出です。

私の額は富士額というのか、M字型に、額の中心に髪の毛の生え際があるのですが、一時期それを恥ずかしく思ったことがあって、自分でその部分を剃ったことがあります。

もちろんそうとう不格好になったのですが、もっとまずかったのは、剃った時がちょうど散髪に行く時期くらいに髪の毛が伸びていたことです。

「髪が伸びたから散髪に行きなさい」と親に連れて行ってもらいました。その時は特に何も思わずに散髪屋さんに行ったのですが、散髪が始まり、私を担当してくれていたお姉さんが、「あれ、僕?この額のところ、剃った?」と怪訝な表情をして聞かれた時になって初めて、自分のやったことが急激に恥ずかしくなり、咄嗟に、「いえ、知りません!」と答えてしまいました。

お姉さんはさぞ困惑したことでしょう。ただでさえ自分が髪を切っている子どもの額が、不自然に青々としているのに、それを尋ねたら「知らない!」と返ってきたのですから。

「いやいや、知らない間に自分の額がこんなにゾリゾリすることはないだろう!」と心の中では思ったかもしれませんが、「ああ、そう」と言ったきり、その話題には触れずにおいてくれました。

それにしても、「知りません!」というのは何とも無理のある返答ですね。「そんなはずはないだろうよ。」と大人は誰しも思うでしょうが、確かにそれ以上は追及しないであげるかもしれません。子どものやることって変ですよね。

ふう。はやくコロナが収まってほしいものです。

今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。    合掌