今週のごあいさつ
漫画つながりで、心と体のことを
もう9月になりますが、まだまだ暑い日が続きます。
少し前までは9月に入ると涼しくなっていた気がするのですが、もうそんな日は来ないのでしょうか。引き続き、熱中症に気を付けて過ごしましょう。
NHKの朝ドラでやなせたかしさんをモデルにした『あんぱん』が放送されています。私はやなせさんの書かれた本が好きで、漫画以外の著作も何冊か読んだことがあります。
戦争について書かれた本や、自分の半生を振り返る本、どれも興味深く、また心に刻まれるような言葉に溢れた本でした。
やなせさんの生前のインタビューの中で、「昔の漫画家は健康を気にせず、体に無理をかけるようにして描いていたから短命な人が多かった。今生きているのは自分と水木しげるぐらいのものだ」みたいなことが書かれていました。
水木しげるさんといえば、こちらも朝ドラ「ゲゲゲの女房」でその人生がドラマ化されていましたが、水木さんも長生きされていました。
調べてみたら、やなせさんは94歳。水木さんは93歳でお亡くなりになりました。お二人とも長生きだし、晩年までお元気だった印象があります。
水木しげるさんは何かのインタビューで、「自分はいっぱい寝てるから長生きなんだ。もっとみんななまけた方がいい」みたいなことを言っていましたし、先のやなせさんのインタビューでは「手塚治虫は寝ないで描いてて、お腹もすごい膨らんでいたから早くに亡くなってしまった。」みたいなことを言っていました。
手塚治虫さんのドキュメンタリーを見たことがありましたが、いくつも連載を抱えて、ものすごい量の原稿を描き続けていました。
やなせさんも水木さんも、忙しい時はかなり無理をして描いていたと思いますが、手塚治虫さんはさらにすごい仕事量で、編集者はなかなか原稿が出来上がらないから「手塚治虫は原稿が遅い」と悪口を言われていたそうですが、描くのが遅いのではなく、筆は人より早いけれど、量がものすごかったんだ。ということが言われていました。
そのドキュメンタリーの中で手塚さんは「頭の中にアイデアだけはたくさんあって、まだまだ描きたいことがたくさんあるんです。」といったことを言われていました。
残念ながら手塚治虫さんは60歳で亡くなりました。きっとまだまだ描きたいものはたくさんあったのだと思います。
漫画つながりで書きますが、空海様と最澄様を主人公にした『阿吽』という漫画を読みました。(世の中にはいろんなジャンルの漫画があります)
その中で、若いころの空海様がお師匠さんから「あいつは精神が先に行き過ぎて、体を置き去りにすることがある」という注意を受けていました。
空海様、お大師様は後に真言宗を開きますが、真言宗の基本は身口意の三密。心と言葉と体を一致させて仏と一体となる。だけど若いころにはまだ心だけが先走っていた、というエピソードでした。
実際にはどうだったのかわかりませんが、読んでいてなるほどなぁと思いました。そして、同時に先に書いた手塚治虫さんのことも思い出しました。
アイデアはいくらでも溢れて、描きたいことはたくさんあるけれど、それを描いているのは生身の人間で、「もっと描きたい、もっと描きたい」が先走って、体を大事にできず、寿命を縮めてしまった。天才であるがゆえに才能が突出しすぎて体がついてこなかった。
ともすれば心に重点を置きすぎる現代の風潮ですが、体あっての心。体が元気であれば心も元気だし、体が弱れば心も弱る。
そして心だけが先に行って体をないがしろにするようでは、いつか体は壊れてしまう。
こういうことはちょっと肝に銘じておきたいですね。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。 合掌