今週のごあいさつ

満たされた年の終わりを

 年末に思わぬ雪が降り、一時は境内一面真っ白な雪景色でしたが、ほどなくお天気も回復して、今は徐々に雪も溶け始めています。この分だとお正月にはすっかり溶けてくれるのではないかと思います。

 お寺ではお正月三が日に年頭の法要及び初祈祷を行っております。初詣にぜひお参りください。大みそかには法要の後に新春の福引を行い、縁起物などの景品が当たりますので、こちらもよければお参りください。

 ということで、いよいよ暮れも押し迫り令和7年、2025年が終わろうとしております。今年はどのような年だったでしょうか。満足のいく年だったのか、不満の残る年だったのか、人によって様々だと思います。

 ただ、不満というのは満たされていないという意味ですが、じゃあ満たされた状態というのはどういう状態なのか。人間だいたいは一つのことが満たされると、次の満たされないものに目が行って、いつまでたっても満たされない状態が続くものです。

 今あるものには目がいかず、今ないものにばかり目が行ってしまう。

 お寺のお説法などでよく「感謝をしましょう」と言われることがありますが、そう言われてもそんなに簡単に感謝できない。誰に何を感謝すればいいのかもわからない、という方も多いのではないでしょうか。

 これはないものの方に目を向けているとなかなか感謝の念はわいてきません。そうではなくて、今あるものの方に目を向けると、思っているよりも自分は恵まれているのではないかと気が付き、感謝できるようになるのです。

 なんとなく満たされない気持ちで年を越そうとしている方も、年の終わりに、今あるものに目を向けてみて、感謝で一年を終えるのもいいんじゃないでしょうか。

 いろいろあったけれど、今年も無事に越せて良かったと思って今年一年を締めくくりましょう。

 今年も一年ありがとうございました。               合掌