今週のごあいさつ

決めることも変わることも大変

 3月になりました。今月は1日が日曜日ということで、月例の朔日祭も多くのお参りをいただきました。

 2月は節分祭をはじめお寺も色々と慌ただしく、あっという間に過ぎてしまったような感覚です。3月はお彼岸の月なので、こちらも忙しくなりそうな気配がありますが、少しずつ暖かくなってくる季節を楽しむ余裕は持ちたいものです。

 最近少し趣向を変えて、社会派ミステリー小説なんかを読んでいます。謎を解く大筋のストーリーを楽しみつつ、その中にうまく溶け込ませた現代の問題なんかを読ませてくれて、こういうジャンルもいいなぁと楽しんでおります。

 その小説の中で「日本人は一度決めたら変えたがらない、変えようとしない面がある」といったことが書いてあり、登場人物はそういう日本人を怠惰だと責めていました。

 確かにそういうところは自分にもあるし、組織なんかも「前からこういうやり方だから」という理由だけで続けていることが多かったりします。

 古くからの伝統を守る、といった規模の話であれば日本人の美徳として語ることが出来ますが、なぜこんなやり方を続けているのかを考えることもなく、慣習に倣って同じことをし続けるのは時には時代錯誤の行動になることもあるでしょう。

 最近自分でもこういうことを実感したのは、先月大雪で節分祭を延期したときです。

 今まで節分祭を延期したことなどなく、これまでにも大雪降ったことがあってもそのまま開催して、それなりにお参りも来てくれていた。

 すでに多くの方に2月8日開催とアナウンスもしているし、状況が状況とはいえ、何とかそのままやれないだろうか。と8日の早朝、しっかりと雪の積もった境内を見て思いました。

 ただ、このような状況で開催すれば参拝者の安全は保証できないし、幸い昔と違ってホームページやSNSなどの伝達手段があるので、それを使って延期の告知をしようと決めました。

 決めてからは試行錯誤をしながら動けたのですが、何より一番エネルギーを使ったのは決断することでした。

 決めることってものすごく疲れますね。特に今までと違うことをしようという時は、なるべくそうしないでおきたい言い訳がいくらでも頭にわいてきます。

 最初の話に戻りますが、日本人は特に慣習、慣例を重んじる傾向にある。そういう空気間の中でそれを変えていこうというのは、ものすごくエネルギーのいることだと思います。

 ただでさえ決断することにはストレスがかかるのに、変化させるというのはかなりハードルの高いことなのかもしれません。

 ただ、お釈迦様の言うところの諸行無常。変化しないものなどなく、変化することは万物の法則であるならば、とりたてて変化を怖がる必要もない。

 なんでも安易に古いものを排除して新しくしようとするのも問題はありますが、時代やその場の状況を見ながら、いたずらにこれまでの慣習にしがみつくことなく、適切に変化していける心構えは持っていきたいなと思いました。

 もうすぐ新年度・新学期。大きな変化の季節になりますが、環境が変わることを怖がりすぎず、対応していきたいものです。

 今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。          合掌