今週のごあいさつ
コロナウイルスとオリンピック
明日、8月9日の10時と14時の2回、「親子で学ぶ仏教講座」というのをやります。
『ままここっと』という鳥取県内に配布される冊子に紹介してあるのですが、仏教用語を使わず、そして子供から大人まで自分のこととして学べる講座にしようと思っています。
もう明日のことですが興味がある方はご連絡ください。
さて、東京オリンピックが始まって、始まる前のゴタゴタも遠い昔、順調に競技も進んでいき、日本勢も大活躍をして随分と盛り上がりましたね。
あまり取り上げられなくなりましたが、もちろん開催反対を思っている人も多数いるのでしょう。それでも概ね好意的にこの大会は受け入れられているような印象を受けます。
無観客も、これだけ都心で感染が増えていれば、政策が功を奏しているんじゃないかとも思っています。もうすぐ終わってしまいますが、個人的には色んな競技を見れて良かったなと思っています。
さて先日、ある国のオリンピック選手団の通訳にかかわっておられる方がうちのお寺にお参りされました。
その方がうちで拝んでほしいと言われたので、てっきりその国の必勝祈願をお願いされるのかなと思っていたら、何人かの弔いをしてほしいというお願でした。そしてその中には本当はこの大会にその国のチームスタッフとして参加する予定だったのに、コロナウイルスに感染して亡くなってしまったという方もおられました。
思ってもみないお話でしたが、塔婆を作ってお祀りをしてご供養しました。
オリンピックが始まると私たちが注目するのは当然出場する選手たちになりますし、さらに言えばその中の誰がメダルを取るのかということに目が行きます。
ただ、当然大会を運営するには多くの表に出てこない人たちの力がなければできませんし、それ以外にも各国のチームを支えるスタッフあっての大会になるのだと思います。
そして選手以外の裏方としてオリンピックにかかわる人たちも、きっと大会に携われていることを誇りに思っているのだと思います。
ただ、お参りをされた方のお話を聞いて、そういった方の中にもコロナウイルスの影響でオリンピックに携わることが出来なかった人もいるのだということを知りました。
きっと国の代表スタッフとしてオリンピックに関わることを楽しみにしていたのだろうと想像すると、さぞ無念だったことでしょう。
この東京大会は開催するかしないかという議論は散々されてきました。コロナウイルスの影響で出来るかできないか、という問題が大変大きな問題だということは認識できていました。でも、こんな風にコロナウイルスで出られなくなってしまった人もいるんだということは今まで考えたことがありませんでした。
改めてコロナウイルスとオリンピックというとても特殊な状況を体験しているのだなということに気がつきました。
そう思うと、この東京オリンピックという世界規模での人の営みにおいて、自分はやはり敬意をもって見ていたいという気持ちになりました。
開催することでの感染拡大の不安や、我々の知らない様々な利権が絡んだことなどもたくさんあるのでしょうが、それを差し引いてもこの非常事態に行うオリンピックを体験した意義は大きいのではないかと思います。
そしてこのオリンピックの成功が、本来は携われるはずだったのにコロナウイルスで亡くなってしまった多くの方々の弔いにもつながるのだと思います。
みんながみんな一生懸命なんですよね。それを知ることで心が揺れますし、勇気をもらえます。多くのことを考える機会となりました。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。
合掌