今週のごあいさつ
ひと手間の塩梅
もうずいぶんと前から主流になっているので、今さら何をということなのですが、コードレスの掃除機って本当に便利ですね。
一昔前と違って、国産メーカーでも海外メーカーでも、しっかりした吸引力があって、バッテリーも長持ちがする。お寺の会館はそれなりの広さのある建物ですが、満タンに充電しておけば一度で掃除ができるほどです。
本堂も昔はほうきで掃いていましたが、いまはもっぱらコードレス掃除機を使っています。情緒としてはお坊さんがほうきを使わずにコードレス掃除機を使っているのは見劣りするかもしれませんが、使いやすさは段違いです。
ただ機能面(吸引力やバッテリーの持ち、ごみの捨てやすさ)もさることながら、コードレス掃除機のいいところって、掃除をする気にさせてくれるところだと思っています。
コードのある掃除機は、掃除をしようと思うと、おしいれから運んできて、コードを延ばして、引きずりながら掃除機をかけなければいけません。角なんかの小回りも気にしないといけない。
その点、コードレス掃除機はパッと手に取ってすぐに掃除に移ることが出来る。最近のものは軽量化も進んで持ち運びもしやすい。
これだけで掃除をする前の腰の重さが全然違います。
掃除機かけなきゃな、と思いつつも「押し入れから出して、重いのをひきずって、コードを延ばして。居間は途中でコンセントを付け替えないといけないんだよな。あ、そろそろごみパックを取り替えないと」なんて考えるだけで、掃除機をかけるためのヤル気がどんどん低下してしまいます。
その点コードレスだと、掃除しようと思いついたら、すぐに手に取って掃除にかかることが出来る。たとえ吸引力が多少落ちようと、気軽に掃除が出来るのと、気が進まなくて先延ばしにするのでは、とにかく掃除機をかけるほうがいいに決まっています。
なんだかコードレス掃除機のコマーシャルみたいになってしまいましたが、何かを始める前にハードルを下げておくことで、スムーズにやり始めることが出来る、ということは結構あると思うのです。
例えば私は、寺務所の2階が和室になっているのですが、そこにヨガマットを敷きっぱなしにしています。
そうすることで、合間の時間にパッとストレッチや運動をすることが気軽にできるようになりました。これをいちいちマットを敷いて、終わったら片付けてをやろうと思うと、それが面倒で運動する習慣から遠ざかっていたと思います。
「ひと手間」ってかけた方がより丁寧で、そのものごとの向上につながるものですが、逆にひと手間減らすことで、前述のように敷居が下がるというか、間口が広がるというか、とっかかりやすさが増すこともあるのだと思います。
このひと手間のかけ方、減らし方の塩梅を上手にできるようになると、生きていくうえでの充実感が違ってきそうですよね。
考えて、試して、ひと手間の塩梅をつかんでいく。やってみる価値ありますよね。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました 合掌