今週のごあいさつ

褒められたいし大事にされたい

 日常生活の中、仕事でも家事でも自分ではわりとよくやれているなと思ってやっていても、そのことについて人から(特に近しい人から)感謝されたり褒められたりすることは案外少ない。

 そのことについてすごく不満があるわけではないけれど、もう少し感謝されたり褒められたりしてもいいんじゃないか、と腹のうちで思っている人はけっこういるんじゃないか。

 なんていうことを考えてしまうのは、自分がもっと褒められたり感謝されたいと思っているからに違いないのですが、じゃあ逆に私が身近な人を頻繁に褒めたり感謝の言葉を伝えているかというと、それは全く自信がなかったりします。

 自分が出来ていないことを人に求めるのは虫が良すぎるというか、まずは自分のあり方を見直さなければな、と最近思うことがありました。

 そう考えて思い出すのが、高校を卒業して京都のお寺に入り、お手伝いをしながら大学に通っていた頃、だんだんと仕事を覚えてきて、自分の中ではわりと「使える人間」になってきたんじゃないかと思い出したころ、もっと自分のことを評価してくれてもいいんじゃないかと周囲に不満を持った時期がありました。

 すごく生意気ですよね。若い頃ってそんな思いを隠しもせず態度に出していたと思うので、思い返すと恥ずかしいことばかりです。

 でもその後しばらくして「あ、人はそんなに自分のことを見てくれているわけじゃないんだな」という当たり前のことに気がつきました。「だって自分もそんなに人のことを見ているわけではなく、自分のことしか考えていないもんな。」とその時に思い至り、なんだかすごく重要なことに気がついたような気になりました。

 そこから20年近くたって、また同じようなところで心がうろうろしていたなと、自分の成長しなささにうんざりしつつも、「人っていくつになっても褒められたいものなんだろうな」と思ったりしています。

 そういえば昔読んだ小説に、「褒められることは耳から毒を入れられるようなものだ」といったことが書いてあったのを見て、けっこうショックを受けたことがあるのですが、「豚もおだてりゃ木に登る」じゃないですが、安易な褒め言葉に一喜一憂するのもいいことではないですね。

 「褒め」って難しいです。まずは褒めることより感謝することに重きを置きたいと思います。

 今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。       合掌