今週のごあいさつ
四聖諦について
先週「諦」という字についてあれこれと書いたのですが、今週は「諦」という字が入っている仏教で最も大切な教えの一つ、「四聖諦(ししょうたい)」について書きます。
四聖諦とはお釈迦様が説いた悟りへ向かうステップで、ここでの「諦」は「真理」という意味になります。ですので悟りに向かうための四つの真理を四聖諦といいます。
では4つの真理とはどのようなものなのかというと、般若心経などのお経にも書かれているので見たことがあるかもしれませんが、「苦・集・滅・道」という4つの文字が四聖諦となります。
それぞれどういう意味かというと、
「苦」…この世のすべては苦しみであるという真理
「集」…この世のすべては苦しみであることには原因があるという真理
「滅」…その苦しみの原因は滅することができるという真理
「道」…苦しみの原因を滅するための手段(道)があるという真理
いかがでしょう。ご理解いただけましたでしょうか?
こんな書き方じゃあ分かりにくいですよね。スラスラ読めるけれど「これのどこが真理なの?」って思っちゃいますよね。
でもこれ、説きかたとしては、例え方が卑近すぎるかもしれませんが、テレビショッピングみたいな感じなんです。
どういうことかというと、
司会(司)「テレビの前の方々にも、生きているのが苦しくてお困りの方はいらっしゃいませんか?実は生きるということは、苦しみの成分が100パーセントなんです。」
女性アシスタント(ア)「えぇ!?苦しみ成分100パーセントなんですか!」
司「そうなんです。しかし最新の科学でこの苦しみには無明という原因があることが近年発見されました。」
ア「そうなんですね~。でも原因がわかるだけでは解決にはならないんじゃないですか?」
司「ご安心ください、最新の研究でこの原因は滅することが出来る、ということがわかってきたんです。」
ア「本当ですか!それは嬉しい!でも、どうやって滅することが出来るんですか?」
司「それがこちら!「八正道」という生き方をすれば誰でも苦しみから脱却することができます!」
といった感じです。こんな書き方をすると怒られちゃいそうですね。
ただ言いたかったこととしては、始めに「一切は苦しみだ」というネガティブな真理から、原因があり、滅することができ、滅するやり方がある。というふうに解決の方法を示してくれるという説きかたになっています。
ただここで大事なのは、なぜ生きることは苦しみなのか。そしてその原因や、原因からつながる因縁はどういうものなのか、といった四つの真理を一つ一つ理解していくことが必要となります。
理解することによってこれらが本当の真理、疑うべくもないこととなって自分の中に落とし込まれるので次回はそれぞれの解説をしてみたいと思います。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。
合掌