今週のごあいさつ

鼻の奥にサバが詰まった話

先日夕飯に焼きサバを食べまして、そうしたところその日の寝る前に何か鼻の奥にサバのにおいがするなと思ったのです。だけど歯磨きもちゃんとしたし、サバのにおいもすぐに消えたので気のせいだったのかな、と思ってその日は寝ました。

 そして起きて次の日、初めのうちは気にならなかったのですが、なんかやっぱり鼻で呼吸をするとサバのにおいがする。これはどうも気のせいではないなと。

 よくご飯が口に入っている時にくしゃみをしてしまうと、鼻の奥にご飯が入っていってしまうことがありますよね。詳しくはよくわからないのですが、副鼻腔とかに入っちゃうのかもしれません。

たぶんそれと同じことが今回も起こっていて、ただお米なんかだと鼻に違和感はあってもにおいはあまり気になりません。だけど、これがサバだった場合、サバ臭さが絶えず顔の真ん中あたりからモアモアとにおってくる、というのはけっこうな不快感があります。

 それで、こういう時の対処法として、鼻を強くかむとか、くしゃみをすると、ポン!と鼻の奥から飛び出てくるので、何度かそれを試してみたのですが、今回に限ってそれがうまくいかないのです。何度鼻をかんでも、より強くサバのにおいが増すばかりで一向に出てくる気配もなく、無理矢理にくしゃみをしてみてもその場にとどまったままなのです。

 こうなってくると、もう気になって仕方がない。だいたいどのくらいの大きさのサバが詰まっているのだろうか。米粒くらいのものなのか、それよりも大きいのか。サバの身の部分なのか、それとももっと脂が多い場所だろうか。

 そんなことまで考えてしまい、一刻も早くこのサバを出さなければと、鼻に精神を集中させて、「フン!」と勢いよく鼻から空気を押し出すのですが、それでも出てこず。

 どうすればいいだろうかと妻に相談したところ、「鼻うがいをしてみたら?」と言われました。

 鼻うがいって何?どうやってするの?と聞いたところ、専用の鼻うがい液みたいなものが薬局に売ってあって、それを鼻から入れて口から出すのだ、と言います。

 水じゃだめなのかと聞くと、水は痛いからやめたほうがいいのだと。

 ただこちらも切羽詰まっていて、一刻も早くサバを出したいので、水の痛みなどは気にしていられない、とすぐに洗面所に行き鼻から水を流し込んで吸い込んでみました。

 そしたら、ゴボゴボゴボゴボ!と当然ながら呼吸が出来ずおぼれたみたいな感じになって、そして言われた通り、プールで誤って鼻から水が入った時のツーンとした痛みが広がり、これは確かに専用液のほうがいいかも、と痛感しました。

 ただとりあえず、まずはサバが出てくれさえすればいいので、サバのにおいがするのかどうか確認してみたのですが、しばらく鼻が痛みで麻痺して、においもなにも感じられず、感覚が戻ってくるまで待ってみましたが、やはりそこはかとないサバのにおいが感じられ、こんなに痛い思いをしても出ていかないのか…とひどく落ち込みました。

 かくなるうえは耳鼻科に行って取ってもらうしかないかと思ったのですが、「今日はどうされましたか?」と受付で聞かれて、「鼻の奥にサバが詰まったのでとってほしいです」と言うのがどうにも恥ずかしい。もう少しあがいてからにしよう。と決心しました。

 それで、押してダメなら引いてみようということで、今回左の鼻の奥にサバがいるらしいので、顔を右に傾けてやや上を見上げ、ゆっくりと鼻から息を吸い込んで鼻にいるサバを喉の近くまで誘い込んで、最後一気にゴクンと飲み込んでしまおうという作戦をとりました。

 首を曲げて顔をあげ、スーッと息を吸い込んで、ここだというタイミングでゴクン!

 そうしたところ、しゃっくりとはまた違う感じなのですが、喉の奥から「ヒュクンッ!」という聞いたことのない音がして、おお、自分の体からこんな聞いたこともないような音が鳴るんだな。と人体の不思議に触れるような思いがしました。

 ただその、「ヒュクンッ!」がけっこう手ごたえがあったので、繰り返して「ヒュクンッ!ヒュクンッ!」とやっているといつの間にかサバのにおいがしなくなって、なんとかこの不快感から抜け出ることが出来たのでした。

 今回こういうことが起こったので、なんとなくこれは記録しておこうと思って書いてみましたが、途中からいったい何を書いているんだろうと思いました。

 たぶん読んでいる人も、いったい何を読まされているのだろうと思ったことと思います。

今回はいつもより強く、結びの言葉を書かせていただきます。

今週も最後まで読んでいただきありがとうございました!

合掌