今週のごあいさつ

秋季大祭が無事に終了しました

11月3日に行いました金毘羅院の秋季大祭、お天気にも恵まれ無事に終えることが出来ました。前日は1日中冷たい雨が降っていて、3日の天気予報もあまりよくなくてどうなることかと思いましたが、当日は思ってもみないお天気で柴燈護摩・火渡りも滞りなくすることができました(薪が雨で湿ってやや火が付きにくい等のことはありましたが)。

先週はどんなお天気だろうとどっしり構えていよう、みたいなことを書きましたが、やっぱりお天気であるにこしたことはありませんね。仏様のおかげをいただきました。

また外での行事であるとはいえ、人が集まることに抵抗のある中、多くの方にお参り頂きました。例年の日程と違い、午前中に柴燈護摩・火渡りのみを行うというやり方に不便を感じた方も多かったのではないかと思います。それでもあのようにたくさんの方にお参り頂いたことに感謝申し上げます。

春・夏と大祭が行えなかったこともあり、秋の大祭、特に火渡りだけはどのようなやり方でも行った方がいいというのが今回のお寺の方針でした。まだまだコロナに関しては不安がありますが、一時でもその不安を吹き飛ばすような大祭であったのであれば幸いです。

これからお正月・節分とお寺の大きな行事が続きますが、こちらも方法を考えて、安心してお参り頂けるようにしていくつもりです。こちらに関してはまた決まり次第ご案内いたします。

さて、大祭も終わり張りつめていた気が一気に抜けてしまいました。朝起きるときも「眠たいなぁ」と思いながらなんとか体を起こさないといけませんし、日課の掃除や運動などもためらいがちになっています。

年末までにやることはまだまだたくさんあるのですが、今週はもう腰を据えて何かをすることはあきらめました。

あと気を抜いているといろんなところにぶつかりますね。ドアに肩をぶつけたり、棚で足の小指をぶつけたり、ついさっきも低い机に右足のすねをぶつけて、「はぁっ!」と声にならない切ないうめき声をあげたところです。

実は数年前まではこういう状態になるとけっこう自己嫌悪になっていました。世間でも「気を抜く」っていうのはあまり良い事にはおもわれていなかったりしますよね。「気を抜くんじゃない!」なんて言われ方もしますし。だから気が抜けると早く元の状態に戻さないといけないとか、そう思ってもなかなか抜けた気が戻らなかったりすることがちょっと苦しかったりしました。

ただ最近はちょっとずつ自分のことがわかってきたというか、ずるさを覚えたのか図太くなったのか、多少気が抜けた日が続いても「せっかくだからゆっくりしよう」みたいに思えるようになりました。

人間どうしたって波があります。グーっと頑張れる時もあれば、ぐったり脱力して何の気力もわかないという時もある。そこを無理して自分に鞭打つようなことをしても体と心がすり減るだけだったりします。だからそういう波のある自分をそれなりに受け入れてあげて、出来ない時は意識的にだらだらしてみるとか、普段ははかない毒を吐いてみるとか、普段通りのことが出来ないなら、思い切って普段やらないことをやってみるとか、そういうしのぎ方を身に付けてきたのでこの頃はずいぶん楽になった気がします。

自分という人間を考えた時、「調子のいい時の自分が一番正しい自分の姿だ」と思い込んでしまうと時にはそれが自分を追い込むことになってしまいます。

そうじゃない、不調な時の自分も認めてあげる。特に年齢を重ねるほど調子いい時なんて年間通しても数えるほどしかなくなりますしね。そういうことも自覚しつつ自分と付き合っていく。それが出来れば変に落ち込まず、それなりに楽しめる生き方につながるのではないかと思っています。

以上、気の抜けた頭で書いてみた文章でした。

今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。

合掌