今週のごあいさつ
思い返せば、だいたい偶然
蒸し暑い日が続きます。ついこの前まで、朝はまだ冷える日が多かったですが、急に朝からむっと暑い日が増えてきました。
毎年寒い時と暑い時を経験していますが、寒い日に慣れていた体に暑い日が直面すると「ああ、暑い日って確かにこんな感じだった。」と思い出すような気持ちになります。
覚えているようで、寒い日には暑い日のことなんて思い出せないものなんですよね。
これからしばらく、暑い日と付き合わなければいけませんね。
さて、先日妻と子供たちの習い事について話をしました。
これから長い人生を歩むうえで、小さいころから色々と経験させてあげた方がいいんじゃないのか。とか、英語や運動など将来にも役に立つことを早いうちから習慣化させておいた方がいいんじゃないのかなど。
その上で、子どもの個性として向き不向きもあるだろうから続かないことがあるにしても、たくさんの経験を経て自分に合うもの、好きなものを選ばせてあげたいなと。
おそらく小さい子を持つ家庭であれば似たような会話をするのではないかと思うのですが、とにかく親は子どものうちから色々な経験をさせてあげた方がいいと思うものです。
ということで、そんな話をしながら概ねその意見に同意をしていたのですが、ふと、自分が好きなもの、ずっと影響を受けているものはどうやって出会ったんだろうと思い返してみたら、面白いことが分かりました。
まず、私の趣味は読書です。なぜ読書を好きになったのかというと、中学生の時に高校受験用の履歴書を書くときに「趣味・特技」という欄があって、中学生当時、これといった趣味も特技もなかった私は、「とりあえず当たり障りのない読書って書いておくか」と思って履歴書に記入をしました。
それでその後、「せっかく趣味に読書って書いたのだから読書でもしてみるか」と色々本を読みだしたら、たくさん面白い本に出会って、それが今に至る。というわけです。
なにも幼いころから書物に親しんでいたとか、特別親が熱心に読み聞かせしていたとか、そんな理由ではありません。なんというか、偶然から趣味につながりました。
あと、私はビートルズが大好きで、今でもずっと聞いているし、ドキュメンタリー映画を見てその都度感動したりしています。
なぜビートルズを好きになったかというと、これも中学生の時ですが、友達が「最近ビートルズが気になっている」と言っていたので、「うちにビートルズのCDがあったと思うから貸してあげるよ」と言って、自分は聞いたことがないビートルズの赤盤と青盤を友人に貸してあげました。
そうしたところ、ビートルズを聞いた友人はすごく感動して「全部いい曲だったな!ビートルズってすごいよな!」と興奮気味に言ってきました。
その言い方が、「もちろんお前も聞いたことがあるよな」というニュアンスが感じ取られたので、「いや、実は僕は聞いたことがないんだ」と言い出せず、「そうだよな!いいよな!」と知ったかぶりをしました。
行ってしまった手前、話を合わせないといけないので、その日返してもらったCDを家に帰ったら急いで聞いてみて、そこで初めて「なんていい曲なんだ!」と友人同様感動して、その後は自分で小遣いをためてCDを買い、過去の映像や映画なども見て、それぞれのソロ活動まで追いかけて、とすっかりビートルズにハマって今に至っています。
どれもこれも偶然から今に至ることで、誰かから経験しろと言われてもいないし、自分から積極的に求めにいったものでもない。でも振り返ると縁があったのだろうなと思います。
結局色んなことは偶然で出来ていて、自分や他人がコントロールできるものではないのでしょうね。皆さんも振り返ってそう思うことはありませんか?
子どもにも、色んな経験をしてもらいたいとは思いますが、ちゃんと偶然を楽しんで、そこから縁をつなげていくような生き方をしてもらえればなと、今は思います。
偶然の力は強い。だから自分の子どもだからと言って、コントロールできるものではないということも肝に銘じておかなければいけませんね。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。 合掌