今週のごあいさつ

お寺と神社の違いって?

 6月になりました。木々に新芽が出てきて、周りの風景が青々としています。

 そろそろ梅雨に入る時期ですが、空梅雨になったり、はたまた降りすぎて災害になったりせず、ほどほどに雨が降ってくれるといいですね。

 子どもが宿題を手伝ってほしいというので見てみると、「自学」といって自分が興味あることを調べて、簡単にまとめるという、プチ自由研究のようなものを毎週やらなければいけないようです。

 これまでは自分で本を読んだことなどをまとめていたようですが、段々ネタ切れになってきたようで、何かネタはないのかということでした。

 せっかく自分に聞かれたので、お寺に関連したことにしようかと思ったのですが、あんまり密度の濃ゆい話にするのもどうかと思うので、「お寺と神社の違いを書こうか」ということで、簡単にお寺と神社の違いを子どもに教えました。

 教えながら、「でもこれ、一般の人も意外と知らないよな」と思ったので、この機会にこの場でも書いてみようと思います。

 たまにお寺にお参りに来た方が「ここは神社ですか?お寺ですか?」と聞かれることがあります。お寺と神社って似てますよね。お寺と教会であれば、おそらく間違えるはずはないと思いますが、お寺と神社、まずビジュアルがよく似ています。

 どちらも木造で恭しく何かをお祀りしている。実際には神社には鳥居や拝殿など、神社独自の建造物がありますが、それだって、ある程度そういうことに詳しくないとどれも同じに見えます。

 しかも場合によってはお寺の中に神社のような建物があることもあるので、余計に混乱します。

なのでまずは、見た目ではなく、その内容の違いについて知ってもらえればと思います。

お寺と神社の一番の違いは何か?

それはお祀りしているものが違います。難しく言えば、信仰の対象が違う。

神社でお祀りしているのは「神様」です。これはキリスト教やイスラム教のような、「全知全能の神」のような唯一神ではありません。日本の神は「八百万の神々」と言われるようにたくさんいらっしゃって、その土地土地を守ってくださる氏神様のような形でお祀りされています。

一方お寺でお祀りをしているのは「仏様」です。

仏教はインドで生まれた宗教で、インド語で悟った人のことを「ブッダ」と言います。これが漢訳されて「仏陀」と書かれ、ここから「仏」という字をとって「仏様」と呼んでいます。

なので仏様の元来の意味は「悟った人」を崇拝するということなのですが、その後仏教では様々なインドの神々を取り入れたので、それらも含めて「仏様」と今では呼んでいます。

長くなってしまったので、今回はここで終わりますが、まずはお寺と神社は建物が似ているけど、お祀りしているのは日本の神様とインドの神様という違いがあるんだよと、覚えていただければと思います。

 今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。     合掌